【「このコップは独身である」、でも実は・・・?】

ある旦那様と奥様との思い出のコップの話です。

 

市内に住まれているS様は、訪問介護サービスの利用を始めて半年が経ちました。

そんなS様が、素敵なストーリーを話してくれました。

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数十年前の結婚記念日に旦那様と北海道旅行に行き、そこでお揃いのコップを買ったそうです。

(イメージ画像)

毎日、毎日、そのコップで

旦那様はお酒を

奥様は麦茶を入れて、

 

『かんぱ~い!』とするのが、二人の幸せの時間でした。

料理を食べながら、

『お見合いをした時の話』

『子供達の話』

『旦那様の仕事の話』

などなど、

二人の会話を

一番近くで聴いていたのは

この二つのコップでした。

何年も、何年も・・・・・

二人の想い出を・・・

 

もうお気づきの方もいるとは思いますが

実はご主人様は数年前に天に召されました。

 

S様は普段、訪問しても、ご主人様の話をされることはなかったのですが、

先日、ホームヘルパーが訪問した際に、洋酒棚に大切に置かれているコップを見て

「このコップ、素敵ですね!」とお声かけしたのです。

すると、S様が少し遠くを見つめて

「そのコップ、今は独身だけど実は昔、結婚していたのよね〜」と、言われたのです。

不思議に思ったホームヘルパーが、

「コップが独身って、どういうことですか?」と聴いたら

S様が先ほどの話をしてくれたのです。

「このコップ、素敵ですね!」というひとことが

思い出(記憶)のスイッチが入った瞬間でした。

私達、ホームヘルパーの仕事は、

家族も知らないような話を思いがけず聴けることが多いのですが、

そんなお話をご家族に伝える機会がありませんでした。

でも、こんな素敵なエピソードを家族に伝えないなんてもったいない!

そう思い、この話を息子さんにお伝えさせてもらいました。

コップの存在は知っていたそうですが、

まさかそんなストーリーがあったなんて!と驚いていました。

息子さんが、

「今度、実家に帰ったら母に話を聴いてみます」と言ってくれました。

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私達ホームヘルパーは

ご家族の方が知らない夫婦の想い出や、ご家族への想いを聴けることがよくあります。

これからもそんなストーリーをご家族に伝えて行けたらと思っています。

それにしても
「このコップは独身なのよ」という表現が素敵だなと感じました。

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